3回目の司法試験

これが最後

平成29年 再現答案(民事系)

 

民法(A)

設問1、2はみんなできそうだけど、最後の問題はよくわからないしできない人多い問題だろうな…何の問題やろ…

でも設問1もいざ要件に直してみると、これであってるのか?めっちゃ不安。

設問2も①②の事実の違いがいまいちわからんな…きっと甲2だけ別個に扱わないといけないんだろうけど、その理由がよくわからない(判例に気づいてない…)。設問3は対抗要件備えてるからそれで終わりじゃないの…?(本件土地が一筆の土地だと思い込んでた)

 

第1 設問1

1 反論の根拠

Bの請求は、所有権に基づく妨害排除請求としての本件土地明渡請求である。これに対し、Cは本件土地の賃借権を短期時効取得(163条、162条2項)したと反論する。

2 必要な要件

163条では、「所有権以外の財産権」についても、取得時効を認めているところ、これに賃借権が含まれるか、問題となる。

 賃借権は債権であるから、財産権そのものではない。しかし、目的物の利用権を有するという意味では物権に近い性格を有し、そのような永続的な利用状態は財産権と同じく保護する必要がある。そこで、10年間、継続的利用の外形があり、その利用が賃貸借の意思に基づくことが客観的に明らかといえる場合には賃借権の時効取得を認めてよい。

したがって、要件は①「他人の物」を、②「10年間」、③「平穏」「公然」と、④「善意」、⑤「無過失」で、⑥継続的利用の外形があり、⑦その利用が賃貸借の意思に基づくことが客観的に明らかであること、である。もっとも、自己物でも他人物でも時効取得は可能であって、①は要件とする必要はない。また、占有者は「平穏」「公然」「善意」に占有をすることは、186条1項で推定される。過失についても188条により前主の占有が適法であると推定されるため、無過失で占有取得したことが推定される。

以上から、Bが反論で主張すべき要件はア、10年間、イ、善意で、ウ目的物を継続的に利用した外形があり、エ、その利用が賃貸借の意思に基づくことが客観的に明らかであると認められる事情がある場合である。

3 反論が認められるか

 平成16年9月15日、AはCとの間で、契約期間を同年10月1日から30年間、賃料月額20万円、目的を診療所用の建物の所有とする内容の賃貸借契約を締結し、同年10月1日、本件土地の引渡しを受けた。平成27年4月20日現在では引渡しから10年経過している(ア充足)。Cは本件土地をAが所有していると知っていた事実はないから、Bが本件土地の所有権を有していたことについては善意である(イ充足)。Cは上記のとおり、賃貸借契約を締結しており、甲土地の利用は賃貸借の意思に基づくことは客観的に明らかである(エ充足)。

 もっとも、Cは本件土地引渡し後も全く利用せず平成17年6月1日になってようやく、本件工事に着工していることから、ウ、土地の継続的利用の外形が認められるのは平成17年6月1日以降とも思われる。しかし、甲はAがたてた柵をそのままにしており、本件土地以外の部分との区別を明確にしていた。そのため、柵の範囲内でCが土地を継続的に利用しているといえる。また、平成17年6月1日以降は本件工事が始まり乙土地、甲1部分で工事がなされ、甲2部分に駐車場や資材置き場として工事関係者に利用させており、丙建物を建築したから、Cが継続的に利用していることは明らかである(ウ充足)。

 なお、Cの賃借の態様が「平穏」「公然」でないと認められる事情はない。また、「無過失」はBの所有権をしらないことについて注意義務違反がないことをいうところ、Aは乙土地の登記簿を閲覧したうえで、本件土地を実地調査し、本件土地の免責が登記簿に記載された乙土地の地積と合致することを確認している。ゆえに、Cは十分な調査をしたうえで本件土地がBの所有する土地と認識しているから、注意義務違反がなく「無過失」である。ゆえに、推定が覆されることもない。

 以上からアないしエを充足し、Cの反論が認められる。

設問2

1 Aの解除の根拠

 Aは、Cが、無断でDに本件土地を利用させていることから無断転貸借による本件土地賃貸借契約の解除(612条)主張している。

 解除の要件は、ア、本件土地賃貸借契約の締結、イ、本件土地の引渡し、ウ無断転貸の事実である。また、賃貸借契約は継続的な契約であり、当事者間の信頼関係をその基礎とする。無断転貸は、本来その事実を持って賃貸人の信頼を失わせるに足りる行為であるが、エ、信頼関係を破壊していないと認められない特段の事情がある場合には解除権は制限され、解除は認められない。

2 解除が認められるか

(1)AがCと本件土地賃貸借契約を締結していることは設問1のとおりである(アイ充足)。

(2)無断転貸にあたるかについて、本件土地賃貸借契約の目的から、転貸借が想定されない場合に、無断転貸借といえる。

Cは、Dとの間で、平成28年5月1日、丙建物について契約期間を5年間、賃料月額60万円、使用目的を診療所の経営として丙賃貸借契約をAに無断で締結し、引き渡さしている。診療所の経営という目的は、マンション経営等の場合と異なり、他人に使用させることを目的としない。そのため下線①記載のDに診療所を営ませていることは無断転貸を基礎づける事実として法律上の意義を有する。また、下線②記載の診療所の患者用駐車場としてDに使用させることも、あくまでもDの診療所の経営の一環として使用させているから、契約目的からして無断転貸を基礎づける事実としての意義を有する(ウ充足)。

(3)信頼関係を破壊していると認められない特段の事情があるか否かは、転貸人の利用態様、転貸借契約の内容等を総合的に考慮して判断する。

 転貸借契約の目的は、Dの診療所の経営であり、本件土地賃貸借契約におけるCの利用態様と同じである。実際に丙は平成28年5月1日以降、丙建物で診療を経営している。また、甲2土地は2台分は従前同様に患者用の駐車場として利用されている。1台分は急患用に変更となったが診療所の駐車上の利用態様としては通常のものといえる。以上から、CはDの本件土地の利用態様を引き継ぐ形で利用しているにすぎず、CD間の転貸によって、AC間の本件土地賃貸借契約以上にAに不利益が発生することはない。ゆえに、信頼関係が破壊されていないと認められない特段の事情があるといえる。

(4)④を充足しないから、解除は認められない。

設問3 

1 Cの反論の根拠

 Eは、Cに対して所有権に基づく妨害排除請求としての本件土地明渡請求をしている。これに対しCは本件土地上にC名義の丙建物を所有していることから、借地借家法10条1項に基づきEはCに対抗できないと反論する。

2 反論が認められるか

 Cは、平成18年2月15日に丙建物の建物所有権登記を具備した。

 また、Eが本件土地の売買契約を原因とするAからEへの所有権移転登記を完了したのは平成28年12月16日である。そのため、Eの対抗要件はCに劣後するものである。

 したがって、Cの反論は認められる。

 

会社法(E)

設立と組織再編や…

問1(2)さっぱりわからん。定款の変更して事後的に有効なものとするとか許したら、何でもありじゃん。でも書かなきゃ前進めないし…

合併かと思ったら株式の併合?どこにあるの…引いたことないよ。

設問1(1)

1 AがDとの間で締結した賃貸借契約に基づく設立事務を行う事務所の賃料60万円、及び、AがEとの間で締結した雇用契約に基づく報酬金40万円は、いずれも会社設立のために必要な費用であり「設立に関する費用」(28条4号)にあたる。「設立に関する費用」は定款に記載しなければ「効力を生じない」。

 本件で、定款には設立費用は80万円以内とする、とのみ記載がある。そうすると、上記賃料・報酬金は合わせて100万円であり、この金額を一部こえる。この場合に、どの部分に効力が生じるか、及び、効力を生じなかった部分は誰に請求できるかが問題となる。

2 (1)まず判例の立場は、定款記載の金額を超えて出資があったときには、定款記載の金額の範囲内について、設立費用の割合に応じ有効であるとする。有効である場合には、設立後の会社が責任を負う。このように解することで、設立時の会社資産の流出を防止しつつ、設立費用を支出した者の間の公平も図ることができるから、妥当な解釈である。

 本件事案では、100万円のうち80万円の部分が有効であり、具体的には、Dについては48万円、Cについては36万円が有効である。設立後甲社は84万円を支払う責任を負う。

  (2)定款記載の金額は、発起人の権限の範囲である。そのため判例は、定款記載の金額を超えた設立費用は、発起人の無権代理行為に類似する行為であって、民法117条の類推適用により発起人が無権代理人の責任を負うと解する。発起人が安易に設立費用を超えた金額の契約締結を防止でき、妥当である。

 本件では、16万円について発起人Aが責任を負うから、後者は支払いを拒絶できる。

3 以上から、Dに対して12万円、Eに対して4万円、支払いを拒絶できる。

設問1(2)

1 会社法上の問題点

 本件購入契約は、甲社の事業に用いる目的で、会社成立後である平成23年7月29日に本件機械を引き受けることを内容とする。ゆえに本件契約は「株式会社の成立後に」財産を「譲り受けることを約した」(28条2号)といえる。この場合財産の価額などを定款に記載しなければ「効力を生じない」とある。

 本件では、甲社の成立を条件として特定の財産を譲り受けることを約する契約については記載がなかったとある。ゆえに、本件購入契約は無効であると考えられ、本件購入契約の価額に基づき本件機械の引渡しを受けることができないと考えられる点が問題となる。

2 とることができる方法

 本件では定款に財産引き上について記載がないことが問題だから、定款の変更をするべきである。定款記載の財産引き受けは「第26条1項の定款」に記載しなければ「効力が生じない」とある。第26条1項の定款は設立時に定められる。甲社設立後の平成23年6月20日現在では変更できないとも考えられる。しかし、財産は会社の成立を条件として譲り受けるから、設立後の会社の判断でその金額を変更したとしても、会社に不利益はない。

3 手続き

 定款の変更は466条に基づき、株主総会特別決議(309条2項12号)により、行う。

設問2

1 Gの立場で考えられる主張

 平成28年7月20日現在、本件決議がされた同年6月20日から1か月しか経過していない。取消訴訟の出訴期間である三か月を経過していないから(831条1項柱書)本件決議の効力を争うため本件決議の取消訴訟を提起する。Gは、乙社発行株式を2000株保有する株主であるから、「株主」(831条1項柱書、828条2項括弧書き)として原告適格を有し、取消訴訟を適法に提起することができる。

 Gは、本件株主総会で、①Ⅼの入場を認めなかった点、②株式併合の本来の目的を説明しなかった点が本件決議の取消事由であると主張する。

2 主張の当否

(1)瑕疵①

ア、本件株主総会の基準日(124条1項)は平成28年3月1日であるが(乙社定款11条)、124条1項に従うと同年6月3日に名義書換を行ったLは株主として権利行使できないのではないか。

イ、124条1項が基準日において株主である者だけに権利行使を認めたのは多数の株主の事務処理を行う会社の便宜を図るためである。そのため、名義書換請求をしていないことにやむを得ないとする事情がない限り、基準日までに名義期書換えをしなければ、会社は株主として権利行使を認める必要はない。

ウ、平成27年10月1日にIが死亡し、唯一の相続人であるLはIの所有していた乙社株式を相続によって取得した(民882条、896条1項)。LはIと同居し、Iの死亡後も同所において生活していたとしても、LをIを同一視することはできず会社は書換えの事務処理を要することは変わらないから、この事実を持ってLが書換請求をしなかったことがやむを得ないこととは言えない。ゆえに、Lを会社が株主として取り扱う必要はない。

エ、したがって、Lの入場を認めなかったことは違法ではない。

(2)瑕疵②

ア、株主総会で、乙社代表取締役Jは、「株式の併合を必要とする理由を説明しなければならない」(180条4項)とある。

イ、株式の併合は株主の地位を失う者もおり、株主の利益にかかわるから、真摯な説明が必要となる。

ウ、本件で①②の理由を述べたのみであり、乙社を甲社の完全子会社にして乙社の経営を立て直すことは、乙社の株主の利害にかかわることであり説明していない以上真摯な説明があったとは言えない。

エ よって違法である。

(3)以上から本件決議は「決議の方法」が「法令に違反」し、取消事由(831条1項1号)がある。

設問3

 Lは、基準日株主でないから「当該株主総会で議決権を行使することができない株主」(182条の4第2項2号)であり、「反対株主」である「反対株主」であるLは株式併合により、株主は反対株式の買取請求(182条の4第1項)を行うことができる。これにより、「適正な価格」を取得できるから経済的利益が保護される。

 

 

 

 

民訴(E)

設問1は判例百選のやつかな…?

設問2はどこで分けたらいいんだろう。弁論主義も処分権主義も問題となるとおもうんだけど…

設問3は見たことないしよくわからん。

設問1

1 裁判所が代理人AとXとの間で契約締結されたとの事実を判決の基礎とすることは、当事者の主張のない事実を判決の基礎としていることから、弁論主義に違反しないか。

2 弁論主義とは、私的自治の原則を根拠に、判決の基礎となる訴訟資料の収集提出を当事者の権能及び責任とする建前である。ここから、裁判所は当事者の主張のない事実を判決の基礎とすることができないことが導かれる。弁論主義の適用範囲は、裁判官の自由な心証を害さないよう、主要事実にのみ適用され、証拠として機能する間接事実には適用されない。しかし、このような形式的な結論を貫くと、当該主要事実が法律上の効果に変動をもたらす要件ではなく、かつ、当事者間でその事実が争われていない場合に、裁判所がその事実採用しないことは紛争を複雑にするし、私的自治の原則にももとる。そのためこの場合には裁判所は当事者の主張がなく判決の基礎としてよい。

3 本件事案で、訴訟物はXのYに対する贈与契約に基づく本件絵画引渡請求権である。代理人AとXの間で契約がされたことを前提とする場合、主要事実はAX間の贈与契約の締結、YがAに代理権を授与したこと、Aが代理人である旨示したことである。そうすると、AがYの代理人としてXとの間で契約締結した事実は主要事実であるから、当事者の主張なくかかる事実を採用することはできないことが原則である。

しかし、代理人による契約であったか否かによって本件絵画を目的とする契約の法律効果は変わらない。また、本件でAがYの代理人として契約を締結したことについて当事者は争っていない。したがって、例外的に裁判所は判決の基礎としてよい。

4 裁判所は、AがYの代理人として契約締結した事実を判決の基礎としてよい。

設問2

小問(1)

1 Xの主張の法的な意味合い

 まず、訴訟物とは紛争の目的となっている当事者間の権利又は法律関係をいう。債権的請求において訴訟物は当事者及び契約によって特定される。

本件事案で訴訟物はXのYに対する贈与契約に基づく絵画引渡請求権1個である。X主張の「仮に」以下の主張はXのYに対する売買契約に基づく絵画引渡請求権1個である。これは異なる訴訟物を申立てるものであるがこのような主張は訴えの追加的変更の主張に当たる。追加された主張は贈与契約が認められないことを前提に審判対象とされる予備的請求である。

2 引換給付判決の可否

(1)弁論主義の問題

 裁判所がYに対し、Xから200万円の支払と引き換えに絵画を引き渡すことを命じる引換給付判決を行うことは、裁判所が同時履行の抗弁権(民533条)の主張を判決の基礎としている。このような主張は弁論主義に反しないか。

 弁論主義とは訴訟資料の収集提出を当事者の権能責任とする建前であり、当事者の主張のない主要事実を裁判所は判決の基礎とすることはできないということが導かれるのは設問1のとおりである。

 同時履行の抗弁権は請求原因である売買契約締結の事実の存在を前提とし、その効果発生を阻止する抗弁であり、Yが立証責任を負う主要事実である。そのため、Yの主張なく判決の基礎とすることはできない。本件で、Yは本件絵画は売買契約で、その価格は300万円であると主張している。予備的請求の訴訟物は売買契約に基づく絵画引渡請求権である。請求原因事実はXがYに対し200万円で本件絵画を売ったことである。このYの主張はXの予備的請求の請求原因事実に対する否認に位置づけられるにすぎず、同時履行の抗弁権の主張とは言えない。

 したがって、本件ではYから同時履行の抗弁権の主張が必要となる。

(2)処分権主義の問題

Yに対し、Xから200万円の支払と引換えに絵画を引き渡すことを命じる引換給付判決を裁判所がするには、当事者からいかなる申立てがあればよいか、裁判所は当事者の申立ていない事項について判決できない(246条)ところ、本件絵画の引渡しに関して原告が主張していないことから問題となる。

246条は、処分権主義の表れであり私的自治の観点から、当事者の「申立てた事項」についてのみ裁判所は判決できると規定する。「申立てた事項」の範囲内に当たるかは、原告の合理的意思の範囲内であるかを基本に被告にとって不意打ちとならないかを考慮して決する。

引換給付判決は、Xは、売買契約に基づく絵画引渡請求権を予備的請求としていることから、贈与契約でないことを理由に絵画の引渡しを受けないよりも、売買契約に基づき金銭を支払ってでも絵画の引渡しを受けたいと考えている。Yにとっても贈与により代金を受け取ることなく絵画を引き渡すことと比べれば、引換給付判決が不意打ちになることはない。 

 したがって、引換給付判決は処分権主義に反しないためこの点に関して当事者の主張は特に要しない。

小問(2)

220万円又は180万円はXの申立てた200万円という金額と異なるため、「申立てた事項」の範囲内か問題となる。

 判断基準は上記のとおり原告の合理的意思解釈を基本に、被告にとって不意打ちとならないかによって決する。

220万円は、申立てより高額であるため一部認容判決である。Xは、絵画を購入した以上申立てより20万円高額であるとしてもその金額を支払い絵画の引渡しを受けたいと考えるのが合理的である。Yにとっても200万円の支払を受けるより有利であるから、不意打ちとならない。もっとも、180万円は、Xにとって申立てより低額であり有利になってしまうので原告の合理的意思を超えている。Yにとっても訴訟において示された200万円より低額の判決というのは不意打ちであり、「申立てた事項」の範囲内ではない。

220万円の場合には、「YはXから220万円の支配を受けるのと引き換えに、Xに対し、本件絵画を引き渡せ。」という判決をすべきである。180万円の場合には、「xの請求を棄却する」「YはXから200万円の支払いを受けるのと引き換えに、Xに対し、本件絵画を引き渡せ。」という判決をすべきである。

設問3

1 後訴で、本件絵画の売買契約の成否及び代金額に関して改めて審理判断することは全その既判力に許されないのではないか、前訴判決が引換給付判決であったことから筋力の生ずる範囲が問題となる。

2 既判力(114条1項)とは訴訟物たる権利関係の存否の判断について生ずる、通用力ないし拘束力のことを言う。訴訟物について既判力が生ずるから引換給付判決がされたとしても給付請求権にのみ既判力が及ぶかにも思われる。しかし、既判力の及ぶ範囲について、114条1項「主文に包含するもの」と規定しているところ、引換給付は主文に記載されている。また、既判力の根拠は手続保障が十分になされていることを前提に、紛争の蒸し返しを防止するための制度的効力である。引換給付に関して既判力が及ばないとすれば、再び代金支払義務について争うことができてしまい、紛争蒸し返しを許してしまう。ゆえに、引換給付判決について全体に既判力が生ずる。

3したがって、後訴においてXY間の売買契約の成否・代金額について争うことは許されない。